COLUMN COLLECTION | 連載コラム

八起会 倒産110番

八起会 会長 株式会社ノグチプランニング 代表取締役 野口誠一氏が
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を紹介します。

弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る「倒産110番」を開設し、 再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を奉仕しています。
八起会 会長 株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口誠一氏

第407回:メーンバンクが破綻


 (以下、Aさんの体験発表である)

 半年ばかり前のことです。私は倒産と自殺の二つの危機に、ほぼ同時に見舞われました。きっかけはたった一通の封書でした。埼玉地方裁判所から送付されてきた通知書のなかに、「担保不動産競売開始決定」の知らせが入っていたのです。早い話が、私が金融機関に設定した担保物件を「競売にかける」という知らせです。

 この知らせは何の予告もなく、突然もたらされました。いわば青天の霹靂(へきれき)です。融資条件も担保条件も変わっていないのに、どうしてこんなことになってしまったのか。原因は私どもというより、私どものメーンバンク側にありました。長年、T信用金庫をメーンバンクとして取引をしてきましたが、そのT信金が破綻を余儀なくされてしまったのです。

 私どものサッシ工場は年商3億円の規模と、T信金との取引でそれなりにまわっていましたが、信金が破綻となれば、たちまち資金繰りに窮してしまいます。それどころか、その債権が整理回収機構にでもまわろうものなら、たちまち紙切れ1枚で競売にかけられてしまいます。事実、私どもに対するT信金の債権7300万円は整理回収機構に移り、有無を言わせぬ競売通知となってしまいました。

 これで万事休す。資金繰りに穴があいたら、中小企業は倒産するしかありません。ただ私の場合は、すんなりと倒産を受け入れるわけにいかない事情があったのです。そのためにずいぶんと苦しみました。夜は眠れず、食事は喉を通らずのなかで、ついには「死んで詫びるしかない」というところまで追い詰められました。

 (Aさんが倒産を受け入れられないわけとは何か、それは次回)

2013年4月25日 17:23

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