COLUMN COLLECTION | 連載コラム

八起会 倒産110番

八起会 会長 株式会社ノグチプランニング 代表取締役 野口誠一氏が
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を紹介します。

弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る「倒産110番」を開設し、 再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を奉仕しています。
八起会 会長 株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口誠一氏

第408回:数奇な運命をたどる


 (Aさんは数奇な運命のもとに、サッシ工場の経営者になったと言っていい。以下、Aさんの体験発表のつづきである)

 私はA家の婿養子です。家内の両親に家を建ててもらい、病弱な義弟の後見人となる約束でA家の人となり、10年ほど前にはサッシ工場の経営も引き継ぎました。

 私と家内の出会いはかなり数奇なものです。私は交通事故で両親を亡くし、大学を中退してバイト生活を送っていました。やがてヤケを起こし、路上生活に陥る寸前のところで、おにぎりと意見をもらったのが当時看護師だった今の家内です。若いのに働く気はないの...彼女は言いました。働く場がないんです...私は答えました。その週末、私は彼女に連れられて埼玉県のサッシ工場に向かいました。彼女の父親の経営する工場です。

 そこで働くこと5年、私の生活はすっかり安定しました。そして間もなく、彼女との間に結婚話が持ち上がりました。それはサッシ工場の経営権にもかかわる問題でしたから、A家の間で親族会議が開かれ、ゆくゆくは私が2代目を継ぐことで合意ができました。

 本来なら家内の弟が2代目を継ぐはずでしたが、病弱でそれができず、Aさんが後見人となって面倒を見るかわりに、義弟には担保不動産を提供してもらい、連帯保証人になってもらっていました。その担保債権がT信金から整理回収機構へ移り、いきなり競売通知に化けたのですから、私にとっては寝耳に水でした。整理回収機構の取り立ての厳しさは、私も噂ぐらいは知っています。このままでは義弟一家の生活基盤が失われてしまいます。私は居ても立ってもいられませんでした。

 (こうしてAさんは追い詰められていく。以下、次号へつづく)

2013年5月10日 13:57

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