COLUMN COLLECTION | 連載コラム

わが社に監査が来る!

運送事業に携わる社長・管理職の相談役・コンサルタントとして
問題を解決する「あいち経営コンサルタント」の和田康宏氏。
現場視点で運送会社の社長が抱くさまざまな悩みを解決し、
厳しい経済情勢で生き残っていくためのポイントを解説する。

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格、会計事務所勤務後、22歳で行政書士試験事務所開業。Gマーク制度並びにグリーン経営制度発足当初から「取得支援」を開始。運輸安全マネジメントの導入・運用を支援。これまで300以上のコンサル実績がある。
あいち経営コンサルタント 和田康宏
お問い合わせは http://www.aichi-keiei.jp

新トラック運送経営のヒント(86)現状できる労働時間改善を


 九州地区では8月だけで6社もの運送会社が営業停止処分になりました。
営業停止日数は、最短3日間から最長14日間とかなりバラツキがあります。事業規模も車両数10台から最大で242台までと広範囲にわたっています。労働時間等の告示基準違反31件以上による一発営業停止が2社。過積載の下命による一発営業停止が1社。累積違反点数による営業停止が3社。累積違反の内容を確認すると、必ず「労働時間の違反」が指摘されています。

 九州地区の運送会社は「労働時間」の改善が非常に難しいです。おそらく、本州で1週間以上業務を行う運行形態になってしまうことが多いのが主な原因ではないでしょうか。

 とはいえ、たとえ九州地区の運送会社であろうと、このまま労働時間の改善ができなければ、「再違反」として再び行政処分を受けることになります。1回目の行政処分とは違い、再違反は3倍(近日中の改正では2倍の予定)の行政処分です。おそらく2回目の「営業停止」処分を受ける可能性が高くなります。

 また、運悪く累積違反点数が80点を超えれば、その時点で事業許可の取り消しです。しかしながら、それでも労働時間の改善はほとんどの運送会社で遅々として進みません。労働時間の短縮=売り上げの減少になることが多いからです。

 収益とコンプライアンス。法令は当然守るべきものですが、収益がなければ事業経営は成り立ちません。この点が他の法令違反の改善よりも労働時間の改善が難しい理由です。では、どうしたらいいのでしょうか?

 やはり、まずは告示基準の違反を1件でも減らすことです。本当は最低1人あたり1か月間の違反を30件以下にする必要があります。31件以上ですと、万が一、そのドライバーが重大事故を起こすと3日間の営業停止になってしまうからです。ドライバーに連続運転時間を理解させ、守らせること。ここからスタートします。

 次に、「出発時間の指定」。会社の指示がないと、ドライバーは延着や荷待ち時間が長くなるのを避けるために早めに出庫します。そうなると必然的に拘束時間が長くなり、違反件数が増えます。

 この2点から着手して、違反件数を減らしましょう。「労働時間の改善」には即効薬はありません。「諦めずに労働時間の改善を続けていくこと」。この覚悟が今、社長さんに求められています。

2013年10月10日 19:13

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