COLUMN COLLECTION | 連載コラム

経営コンサルタントの現場報告

物流専門のコンサルティングを手がける㈱シーエムオーの代表取締役・川﨑依邦氏が、
実際に体験した労務問題を報告。取り組み内容などを詳しく紹介します。

昭和24年、広島市で生まれる。早稲田大学卒業後、民間会社で人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。㈱日本経営から昭和63年に独立開業、平成2年法人設立。「物流経営研究会」を組織。物流業界でオンリーワンの経営コンサルタント会社を目指す。
シーエムオー 川﨑依邦 代表取締役
お問い合わせは http://www.cmo-co.com

経営再生物語(51)営業改革実践シリーズ19


 ⑲ドライバーを宝とする=営業の基本

 不況の足音が聞こえる。コストアップが押し寄せている。軽油価格、タイヤ代、車両価格など目白押しで、コストが高止まりする。ところがストレートで、かつ十分なる運賃転嫁はできない。「走れば走るほど赤字となる...」といった経営状況が支配する雲行きである。「どうすれば生き延びていくことができるか」。深刻な経営のピンチである。

 打つ手は何か。物流業の基本に立脚すること。〝足元をよく見て照らして顧みよ〟。すなわち、〝脚下照顧〟である。具体的にいうと、ドライバーの人材育成の取り組み強化である。人材育成の基本は、無事故を達成するドライバーの育成にある。そのためにはドライバー一人ひとりとの、個人面談の実施がポイント。家庭や体調の具合について把握する。仕事について意欲を持っているか。不満・不安はないか。着実にヒアリングを積み重ねていく。その上で、〝ラポール〟をかけていく。ラポールとは、信頼の架け橋のことである。言い換えれば、ドライバー一人ひとりとの心の結びつきのことである。

 しかし、物流現場では個人面談する余裕がないこともある。時間の余裕がないわけである。極端なケースでは、丸1日配車担当者や上司と顔を合わせないこともあり、このままではドライバーは孤独である。そこで、何としてもやりくりして、個人面談をすることが人材育成の基本となる。着実なヒアリングの積み重ねによるコミュニケーションによって、ドライバーのやる気を育んでいく。

 営業開拓の基本は、ドライバーである。「ドライバーは宝」。宝にしていくように、心の中を磨いていくことである。そのためのポイントが、個人面談の実施である。

 外部環境の悪化のみに経営責任を押し付けてはなるまい。内部の経営努力があるかどうかである。〝脚下照顧〟=「ドライバーを宝にする」ことで生き延びていくことができる。奇手妙手はない。営業開拓はドライバーの現場力によって成される。ドライバーの物流品質力の向上が重要であり、そのためにはコミュニケーション力を高めていく。個人面談は、燃費効率データなどを基に行うこと。

 ドライバーの物流品質力が向上すると、荷主と信頼が深まってくる。5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)がしっかりしている。事故・クレームがない。こうしたドライバー集団になること。まさに、一人ひとりのドライバーが宝となる道である。

2014年4月10日 19:37

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