COLUMN COLLECTION | 連載コラム

運送経営相談室

コヤマ経営・小山雅敬氏が経営者の疑問を解きます。

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。 平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。 中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

第131回:死亡事故は突然発生する! 事故発生後の対策は?


 【質問】最近、死亡事故が発生しました。日頃から物損事故や商品事故は時々発生していましたが、人身事故は発生していなかったため、今回の事故は大変残念です。創業以来初の事態であり、今後必要な対策についてご教示ください。

 死亡事故は突然発生します。日常の運行管理において油断や心のすきがなかったか、初心に戻って早急に再点検することが必要です。創業以来、発生していない会社ほど管理が甘くなっており、危ないのです。
 弊社では、運送会社で死亡事故が発生した後に、対策の相談を受けることがあります。大抵の場合は、事故後に予測される行政監査に向けた相談です。その会社の管理状況を確認するために、帳票類や管理資料を全部拝見し、運行管理、健康管理、教育指導などの実態を点検すると、不備が多く見つかることがあります。経営者ですら「我が社の現場管理は、こんな状況だったのか」「現場の管理者を信頼して任せていた結果がこれか」と愕然とすることがあります。
 事故が起こってしまってから監査までの間にできることは限られています。当然ながら書類の改ざんは一切できませんし、過去に戻って点呼をし直すこともできません。実施していない教育をやっていたことにすることもできません。時間を戻すことが出来ないので、今後に向けて、今出来る整備をすることになります。つまり事故が発生してから慌てないために、肝心なことは、普段から対策を怠らないことです。日常の管理を決して舐めないことです。平穏な状況が続いた時も、たまたま事故になっていないだけだと捉え、常に緊張感をもつことが大事です。「このくらいはいいだろう」が命取りになります。
 例えば、「ドライバーが望むから、やり易いようにしてあげよう」という管理者の勝手な判断で、定められた方法以外のルーズな運用をしていることがよくあります。安全対策に関して、経営者は鬼にならなくてはなりません。特に現場の管理者に対して妥協してはいけません。点検、点呼、健康管理、指導教育、労働時間管理、諸々の記録など、あらゆる観点で、経営者が厳しい目を光らせておくことが大事です。
 管理者がしっかりすれば、ドライバーも気をつけます。事故を起こさない会社の社長は「会社の言うとおりにやっていれば、あなた方は安全に安心して仕事が出来ます」と全社員に語りかけています。このような会社の管理体制と風土を作ることが死亡事故を二度と繰り返さないために必要なことだと思います。

2017年4月28日 11:56

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