COLUMN COLLECTION | 連載コラム

高橋久美子の あなたの会社が儲かっていない 本当の理由

経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故などの
危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済案などを紹介します。

全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表
高橋久美子
お問い合わせは http://www.handlecover.com/kaizen/

第351回:成熟期にすべきこととは?


 会社経営には周期があり、どんな会社でも、どんな製品でも、必ずこの「成熟期」が訪れます。そして、この成熟期に「何をするか?」が、今後10年間の会社経営に大きな影響を与えます。ところが多くの経営者が「この時期にすべきこと」を間違えて認識しています。

 「ものすごく困っているわけではない」「預金通帳の残高は増えていないけど、昨日と同じように明日もどうにかなる」。このような状況から下手に動くよりも、「現状維持の今を、どうにかやり過ごせば、また良い時期が来るんじゃないか」と、考える人がとても多いのです。
 嵐が過ぎるのを待つように、「うまくいかない波のときは、下手に動かず、じっと潜伏して体力を温存しておくべきでないか」と、考えるわけです。
 また、この時期の特徴として、絶えず何か小さなトラブルを抱えています。会社の存続に関わるような大きなトラブルは起きないのですが、いつも問題がなくならない、という感じです。主には人の問題です。
 そのため、社長のあなたは、常に頭をとられ、目先の問題に振り回されることになります。なぜか、細切れに忙しく、精神的にも肉体的にも、ゆっくりする時間がありません。
 ですから、会社の中長期的なビジョンを考えるというような、精神的に集中すべき仕事や一見すると「緊急性が低く見える仕事」が後回しになります。そして、その「後回し」になった仕事の9割こそが、本来の「社長業」なのです。  「現状維持」という選択は、短期的には変化しない安全策のように錯覚しがちです。しかし、製品ライフサイクルのグラフが示すように、会社経営においては成熟期に「現状維持」を選択するのは命取りになります。具体的には「現状維持が3年続くと、ある日、一気に崩壊する」と言われています。
 なぜなら、日々実感ができなくても、3年経てば確実に市場は変化・成長しています。ところが、逆に私たち人間は年をとります。あなたもドライバーも、3年経てばその分年をとり、抱えるリスクが大きくなります。そして会社が抱える固定資産の価値は3年分減価します。つまり、経営において、現状維持とは、「日々の確実な後退」なのですが、それが3年続くと、気づいたときには、ある日、急激に崩壊するというわけです。

2017年4月13日 16:39

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