COLUMN COLLECTION | 連載コラム

経営コンサルタントの現場報告

物流専門のコンサルティングを手がける㈱シーエムオーの代表取締役・川﨑依邦氏が、
実際に体験した労務問題を報告。取り組み内容などを詳しく紹介します。

昭和24年、広島市で生まれる。早稲田大学卒業後、民間会社で人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。㈱日本経営から昭和63年に独立開業、平成2年法人設立。「物流経営研究会」を組織。物流業界でオンリーワンの経営コンサルタント会社を目指す。
シーエムオー 川﨑依邦 代表取締役
お問い合わせは http://www.cmo-co.com

経営再生物語(156)5S表彰制度〈事例A〉

 〈表彰制度〉

A社は配車担当と相談して、社員と契約社員を対象として「5S表彰制度」を設定することとした。これ以上クレームが続くと、会社の命運にかかわってくる。「5S表彰制度規定」は表1の通り。その運用ポイントは次の通りである。

 (1)毎月1回評価する。第1次評価者は現場の所属長とする(2)評価基準はS、A、B、C、Dの5段階評価とする(3)評価をするうえでは、具体的データに基づき5Sポイント項目ごとに指標数値を定める(4)ポイント化基準を設定し、満点で100ポイントとする(5)1ポイント当たりの単価は100円とする

 こうした毎月の積み重ねで、物流品質向上に取り組むこととした。プラスもあればマイナスもある。「金」でつるだけでなく、毎月のチェックに基づいて職場風土を活性化しようとした。

 第1次評価者は、毎日ノートに記録した。記録されたノートに基づいて一人ひとりに声をかけていった。契約社員は、仕事が終わるとすぐ帰ろうとする。そこを5分だけ踏みとどまらせて声をかける。

 「今日、○○荷主からお褒めの電話が入ったよ。君のあいさつがさわやかで気持ちがいいとのことだったよ。これからもこの調子で頼むよ」

 A社では、契約社員も大きな戦力である。ところが、社員と比べて賃金に大きな隔たりがある。そこでいろいろ指導したり、きめ細かく注意することは避けていた。「給料が安い分、なんとか働いてくれればそれでいい」と思っていた。ところが、厳しい荷主の要請に直面して意識改革を迫られた。契約社員といえども、A社カラーの車両を運転している。そこで「5S表彰制度」を実施することにした。

 A社では交通事故の発生率が多く、このままの交通事故発生率が続くと、次は保険料の割り増しとなる。割引どころか割り増しである。担当の損保会社いわく、「これから自動車保険の世界も規制緩和されて自由化です。社長のところのように事故が多いと、どこの損保会社も相手にしなくなりますよ。経営のコストもバカになりません。交通事故の少ない優良会社の割引率は70%です。社長のところよりはるかに安いのです。このままでは経営コストが掛かりすぎて、競争力がなくなります。この1年が勝負です。この1年頑張って、まず30%の割引を獲得して下さい」

      (つづく)

2017年6月 9日 17:05

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