COLUMN COLLECTION | 連載コラム

経営コンサルタントの現場報告

物流専門のコンサルティングを手がける㈱シーエムオーの代表取締役・川﨑依邦氏が、
実際に体験した労務問題を報告。取り組み内容などを詳しく紹介します。

昭和24年、広島市で生まれる。早稲田大学卒業後、民間会社で人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。㈱日本経営から昭和63年に独立開業、平成2年法人設立。「物流経営研究会」を組織。物流業界でオンリーワンの経営コンサルタント会社を目指す。
シーエムオー 川﨑依邦 代表取締役
お問い合わせは http://www.cmo-co.com

経営再生物語(162)無事故運動〈事例A〉

〈人を育てる職場に〉

「無事故運動」はメーン荷主の「取引中止」という危機からスタートしたが、乗務員教育に対しても大きな力を発揮している。

 とりわけ、班長に任命された者の自覚が高まり、人間的成長に貢献している。

 A班にいるD君は、4㌧車の運転者である。入社して1年、D君はよく事故を起こしている。

 荷主先でバックして門柱に当てた、低いところを通って荷台の天井を破損した、路上でバックして看板を壊した、などの事故である。

 A班長はD君とじっくり話し合っている。このままでは、D君は乗務員失格の烙印を押される。「スピードを落として走れよ。交差点では徐行を必ずしろ。走行中の途中休憩は必ずとれ」とキメ細かく話しかける。A班長は、D君の家まで行く。D君の自宅を訪問して、いろいろと話し込む。

 「D君、どうして運転者になったの?」

 「先輩、それは車が好きなのと、給料がいいかな、と思ってハンドルを握りました。でもあんまり給料も高くないなあ」

 「それだったら、大型の免許を取ったらどうだい。『無事故運動』で優秀賞をもらえたら、社長に頼んでやるよ」

 「え、本当ですか」

 「そのかわり、これ以上チョコチョコと事故を起こすなよ。そうすれば、社長にも頼みやすいしね」

 「はい、分かりました」

 D君は大いにやる気になった。6か月間、A班は優秀な成績をおさめた。D君は大型免許を取得することができた。A班長の力である。

 「自分のことでなく、班員のことを考えるようになって、働く喜びがわいてきました」

 A班長の言葉である。

2017年7月20日 13:42

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