COLUMN COLLECTION | 連載コラム

射界 政治や経済、文化、歴史など、幅広い分野から現代社会に一石を投じる。様々な問題が生じる現代をどう生きるべきか、鋭い観点から示唆・提言します。

 ギリシャ神話にある刑罰の神様と言えばネメシス。彼の掲げる「七つの大罪」の一つ〝ケチ〟について、こう戒めている。人生をケチに徹することで一時的に成功するかも知れないが、結果的には不幸に陥り成功しないだろう、と。本人はケチであると全く自覚していないから困るが、反省すれば脱皮できるとも言う。

▲さて、では何が一番ケチかと言えば、自分の懐が痛むものは大事にする一方で、そうでないときは〝お大尽〟ぶりを発揮する行いであると指摘する。たとえば、自分では僅か一銭の支出でも渋るのに、そうでない他人のフトコロ勘定で支出されるとき、お構いなしに冗費してはばからない人である。自分の懐を減殺する贅沢は慎重だが、他人のフトコロ勘定なら一切構わない姿勢だ。

 ▲こんな言動は、いつまでも通用しない。かつて取材を通じて懇意になった中小企業のオーナーは、周囲からケチの権化とまで言われた。無駄な照明や消耗品管理は徹底したケチぶりを見せるが、会社の利益に繋がると判断した仕事には支出を惜しまず、社員とのコミュニケーションづくりにもお大尽ぶりを発揮してカネをケチらない。その姿勢は、徹底した節約を旨とするが、ケチではない。

 ▲大体、ケチと言われる人は金額の多寡にこだわるところがある。そうでない人はカネが生きるかどうかを、まず判断材料の上位に置く。たとえカネがかかったとしても、期待した通りの成果に結びつけば○△万円かかったとしても、決して惜しくないのだ。こんな話もある。「カネは人を乗せる舟。いい船頭を持たなければ転覆しかねない」...含蓄ある話。きっとネメシスもうなづいている。

2017年7月20日 13:35

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