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「滞留」より「安全」か 待機レーンの設置、なぜいま? 

【その他】
2017年8月18日 12:18
 荷主都合によるトラックの待機時間の記録制度が設けられたことと前後して神戸市内の港湾地域で、ある大掛かりな道路改修工事が始まった。工事が始まっている道路は従来から、コンテナターミナルに入場するためのトレーラ車両の長い列ができる。長いときで3㌔㍍にも及ぶとされ、トラックの待機の代表ともみられる。供用が開始されてからちょうど四半世紀の間、構造がまったく変わったことのない港湾道路を、このタイミングでなぜ大規模に改修しようとしているのか。周辺の事業者からは、解消されない待機時間問題と絡めた指摘も飛び交っている。

 神戸市東灘区の「六甲アイランド」は東西に長くほぼ長方形型。1988年に最初の住宅街ができ、市によると島内には4月現在、1万9000人以上の住民が暮らす、職住近接型の人工島だ。島の南西部にはコンテナターミナルがあり、今回改修工事が始まったのはターミナル前を東西に走る道路だ。8月上旬には、片側4車線ある西行き部分の1車線が、東西約1㌔㍍にわたって工事区間を示すポールが据えられていた。

 神戸市みなと総局によると、工事は6月中旬に始まった。工事内容は、コンテナターミナルの前の道路にコンテナ専用の待機レーンを4レーン設け、一般車両が通行できる車線を4車線から2車線に減らすものだ。その間、東西に約300㍍、緑地帯を設ける区間を入れると工事区間は1・5㌔に及ぶ。コンテナ連用レーンを設ける効果について同局は、「専用の待機レーンを設けることで、道路上でのコンテナ車両の待機頻度を減らすことができ、視認性と安全性が向上する」などとしている。つまり、300㍍の待機レーンを4レーン設ければ、1200㍍相当分の待機場所がレーン内に確保でき、一列にならんでいた従来と比べて滞留の最後尾がコンテナターミナルに近づく効果があるとするものだ。

 工事の始まった道路は、人工島の街びらきから4年後の92年3月に供用が開始された。同局によると当時から車線数も含めた道路の構造はほぼ変わっておらず、今回の待機レーンの整備は四半世紀ぶりの大規模改修だ。周囲の道路はコンテナターミナルに入場するための車両の滞留が90年代から深刻化しており、その延長は東西道路から南北道路にまで約3㌔㍍にも及ぶことが珍しくなかった。トラック事業者から見れば「ターミナルの滞留という、非生産的な時間は今に始まったことではない」(神戸市内のコンテナ陸送事業者)。

 ではなぜ、今年になって四半世紀ぶりに改修工事を始めたのか。同局は、「改修工事の道路付近には学校施設などもあり、住民から何度も安全性確保の声が上がり、その都度、ソフト、ハード両面からの対応を考えていた」とするものの、「ハード面」の改修に着手する具体的なきっかけや議論については、「市の内部で決定した」とだけ述べ、決定過程についての言及を避けた。

 改修工事は滞留を部分に集約するためのものであって、滞留そのものを解消するものではない。この点について同局は、「ターミナルが詰まることが滞留の原因で、ターミナルの処理能力が変わるわけではない。ターミナル処理能力の問題はターミナル会社で解決すべき」とし、改修はあくまで交通安全対策との立場をとっている。

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