COLUMN COLLECTION | 連載コラム

高橋久美子の あなたの会社が儲かっていない 本当の理由

経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故などの
危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済案などを紹介します。

全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表
高橋久美子
お問い合わせは http://www.handlecover.com/kaizen/

第369回:小さい会社の社長ほど心配していること

トラック20台以下の運送会社のための新時代のリーダー戦略について、引き続き話を進めていきます。

 新時代のリーダー戦略とは、ドライバーもトラックも増やさずに、配車センター業務を伸ばしていくという方法です。なぜなら、何度もお伝えしたように、現在の状況は「外的要因による一時的な踊り場」だからです。仕事がある状態が、ずっと続くわけではないのです。

 車両や社員を増やすということは、すなわち固定費を増やすということです。もし、状況が変わって仕事が減っても、車両は簡単に手放せませんし、社員も簡単に解雇できません。一度増やしてしまった固定費は、簡単には減らすことができないのです。

 ですから、できるだけ所帯は小さく、固定費を増やさないままで、売り上げだけを増やすシステムを作っていく。これが、トラック20台以下の運送会社が、経営を安定させるための重要なポイントです。

 多くの運送会社が現在、ドライバー不足で悩んでいます。しかし、新時代のリーダー戦略では、ドライバーを増やす必要がありません。さらには、配車センター業務を拡大していくことで、高齢ドライバーが体力的にトラックをおりたときの、再雇用の可能性も広げることができるのです。

 小規模の運送会社の社長ほど面倒見が良く、ドライバーとも家族のように付き合っている人が多いようです。そんな経営者が今、一様に懸念しているのが、高齢ドライバーの近い将来についてです。国からの十分な年金は期待できないし、かといって十分な貯蓄や資産を持っているわけでもない。

 今後、視力や体力が衰え、ドライバーという仕事が続けられなくなったからと言って、「それでは、さようなら」と、離職勧告を言い渡すことをしたくないという人が、本当に多いのです。

 それならば、体力が衰えてもできる仕事を会社で用意しなければなりません。今までの経験が生かせて、社内で肉体労働でない仕事といえば、ずばり、配車業務です。かといって、通常の業務ならば、配車マンは1人で間に合います。単純に、今の3倍の仕事を受注すれば、3人の配車マンが必要になるというわけです。

 現在、若年ドライバーの採用が難しいのは、なり手が少なく、採用したい企業が多いからです。そんなことは、私が解説するまでもなく、みんながわかっていることです。それなのに、この難しい時期に、わざわざ難しいことをしようとする人が、本当に多いのです。時代の流れに合った戦略をとるほうが、成功の可能性が高くなります。

2017年9月 7日 11:53

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