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光見えぬ長時間労働 監督官100人増員の影響は

【行政処分】
2017年9月22日 12:19
 政府は8月末、長時間労働や賃金未払いなどを調べる労働基準監督官を来年度100人増員する方針を固めたと発表。働き方改革の一環として、罰則付きの残業規制を設けて違法な長時間労働の取り締まりを強化させる考えだ。厚生労働省によれば、東京・大阪の労働局の監督官で構成される過重労働撲滅特別対策班が対策を進めているなかで、最長100時間未満などの残業時間上限規制が導入されれば、企業に対して一層きめ細やかな監督、指導が求められる。このため、監督官の増員を行うようだ。

 大阪市内の運送会社の一部では、労基署による立ち入り調査が強化されることに不安を抱えているという。長時間労働が多いとされる運送会社では、改善が困難な状況もあり、「経営が成り立たない」というのだ。この運送A社は今年7月、地元の労基署から立ち入り調査を受けた。一部のドライバーに月100時間を超える残業が発生したことの指摘を受け、改善するように求められている。A社は大手鋼材メーカーの輸送をトラックやトレーラで手掛けており、月間走行距離は5000㌔から7000㌔程度となる。輸送地域も近畿圏がメイン。土・日曜日や祝日は休日となっている。

 しかし、一部のドライバーは人材不足の影響や荷待ち時間、早出などから残業時間が100時間を超えていたという。同社でも出来る限りの対応を実施し、業務改善に取り組んでいるものの、結果が伴わない部分が残っているという。また、A社と取引のある運送会社でも、ほぼ同時期に労基署からの立ち入り調査が行われていることがわかった。トラック協会支部に聞くと、これまでに同地域で3社が労基署による立ち入り調査を受けているという。また、どの運送会社でも残業時間を短縮するよう指導を受けていた。

 労務問題に詳しい細川労務行政事務所の細川泰佑氏は「労基署では現在、運送業をはじめ建設、介護、IT、飲食などの業種に対して長時間労働などの調査を実施しているようだ。今年度はこれらの企業の労働環境の改善ならびに指導を行っていると聞かされている。業種を決めて調査、指導を行っていることから、同業他社でも労基署からの立ち入り調査が行われていると考えられる。特に運送や建設については長時間労働が懸念されていることから、今回のように調査などが増えていると予想される」と説明した。

 労務問題に詳しいKY経営サポートの小谷依弘社長は「現在、建設、運輸、派遣などさまざまな企業に対して労基署などからの調査が実施されている。運送に関しては、適正化実施機関からの指摘による改善が行われていない運送会社でも、労基署からの立ち入り調査が実施されている。政府の働き方改革の取り組みが本格化しているものと考えられる。当社でも毎月のように残業代未払いなどの請求による労務問題の相談が増えていて、今年7月から9月現在、7件の相談が寄せられている。残業代未払いに対する請求が年々、増加しているようだ。各顧問先企業対して就業規則や36協定などの見直し、労働環境改善を図るように指導している」と指摘。今後さらに労基署などによる調査、指導が増加すると予想している。

 また、最近では残業代未払い請求も1人当たり数千万円と言う請求にまで増加している。労働者からの未払い請求への対策も課題となりそうだ。

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