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AIロボットで点呼? 運送会社の模索始まる

【その他】
2017年10月20日 12:16
 「やりたくても実際は無理」と、トラック事業者が口々にこぼしてきた夜間などの点呼業務について、「AI(人工知能)を活用した点呼ができないか」を事業者自身が同時多発的に模索し始めている。点呼業務は運行管理者と乗務員との対面を軸としつつも、一定の要件を満たすことでスマートフォンなどを使ったIT点呼が認められ、要件枠は拡大しつつある。人間の仕事がAIに置き換わっていくことへの「危機」が叫ばれるなか、「AI点呼」は社会にどのように浸透していくのか。

 兵庫県伊丹市の運送会社「ジャパントラック大阪」(金築勇次社長)はグループ会社「ジェイ・ティ・リース」を通じて8月、大手通信会社「ソフトバンクグループ」との間で、法人向けAIロボット「Pepper for Biz」に関する代理店契約を結んだ。人手不足を背景にAIロボットは、飲食店での接客や外国人観光客向け通訳、介護現場などでのレクリエーションの場面などで実際に導入されている。ジェイ・ティ・リースも人手不足に悩む法人に対してAIロボットの活用を呼び掛ける販促活動を進めるという。

 ひるがえって、トラック運送業界。乗務員不足は言うに及ばずとしながら、金築社長は、「夜間などの点呼業務が完全にできている中小の運送会社はどれほどあるか」と問題提起。AIロボットを、まずは運送会社の点呼業務に導入することはできないかという問題意識が先にあり、AIロボットの販促活動開始は派生的に展開していったものだ。同社長によるとPepper for Bizは、導入先の企業や業種に応じる形で機能を変更するカスタマイズが可能だという。ソフトバンク側には、すでに点呼業務の仕組みを書いた分厚い冊子を手渡しており、点呼業務ができるようなAIロボットへのカスタマイズをするよう要請しているという。

 同社長は、「報道では、なりすまし防止の顔認識もできるようになってきているという。ドライバーが点呼を実施するようAIロボットに促せば、あとはロボットが主体的に点呼を実施できるような仕組みに仕上げられれば」と話している。同社長は、役員経験もある協同組合組織「日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会」などを通じてすでに、国交省職員にはそうした意向を打診しているという。

 同じ兵庫県内の別の運送事業者。昨年から今年にかけて監査などで様々な指摘を受け、改善報告も上げた。しかし、夜間に帰ってくるトラックの点呼だけはどうしても不可能で、運行管理の補助者制度なども使おうと今、検討中だ。同社がもう一つ模索しているのが、やはりAIロボットの点呼業務への活用だ。同社は今、大手家電メーカーを通じて知った警備会社と2度ほど打ち合わせをした。警備会社はAI技術を使った警備業務で技術開発も手掛けており、「警備も同時にできる点呼ロボット」を共同開発したい意向だ。

 社長は、「法令を守ろうとするからこそロボットを活用しようという意欲もわく。点呼ロボットを国交省が認めるか認めないかはまだ分からないが、AIが様々な人間の業務を代替していっている現在、監査で指摘を受けたうえで、まったく何もせずにいることはできない」と話している。

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