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安全、無事故を追求 運転教育のプロ 自動車学校が本腰

【事故】
2017年10月13日 12:20
ishihara.jpg 自動車学校が運転の教習という独自のノウハウを活用して、事故防止の取り組みを加速させている。背景には、少子高齢化による運転免許取得人口の減少による危機感もあるようだが、新しく別会社を立ち上げるなど、取り組みを本格化させている。一方、運送事業者も安全への取り組みが必要不可欠で、無事故は業界における永遠のテーマ。現在、無事故を追求する自動車学校の取り組みに注目が集まっている。

 愛知県安城市にある安城自動車学校(石原慧子社長)では、「日本で一番事故のない街作り」をコンセプトに掲げ、県内外の物流会社をはじめ、金融・製造・サービス業など、トラックや営業車を使う企業を対象とした専門の「人と安全研究所」を設立。「働く人の幸せと安全を追求する」を理念に、積極的に企業研修を展開している。設立した経緯について石原社長は「地元の企業から、自動車事故が多くて困っているという声を受けて、自動車学校として何ができるのかを考えた。事故を起こさないために重要なのは、企業の意識と本人の意識を変えること」とし、企業と人を育てるような安全運転教育を実施することを基軸に置いた。

 「安全運転は一方的に指導するのではなく、自ら考えて行動することが大切」との観点から、運転の悪いクセを自ら気付き、今後の安全運転を自ら考え、それを行動に移し、自らフィードバックする。それを習慣化することにつなげていく。「ただ、事故を起こした人だけを教育しても、事故は減らない。企業全体として積極的な取り組みをしないと根本的に事故は減らない」と石原社長。同研究所の研修を受けることで、車両事故の減少はもちろん、社員のモラル向上や愛車精神の風土形成など、相乗効果をもたらしている。

 同研究所の研修事業で中心的な人物が、渡邉貴幸インストラクター。愛知県を中心に全国の企業を訪問し、事故防止をサポートしている。「運送業が経済の重要な役割を担っているのに、間違った運転をすることで会社のイメージダウンにつながってしまう。運送業のイメージ向上のお手伝いができれば」と渡邉氏。各企業の問題点や課題点をヒアリングし、柔軟な視点で独自のカリキュラムを作成。画一的な研修を提供するのではなく、対象企業の問題点に特化しているのが好評を得ている。2014年の8月には、ISO39001(道路交通安全マネジメント)を取得。安全運転に関するモデル事業をめざす企業として、包括的に事業を展開している。

 福岡県大野城市にある南福岡自動車学校(江上喜朗社長)では、1990年頃から企業を対象に事故防止の研修をはじめ、2012年に、企業の交通事故ゼロをめざして、「事故なき社会」を立ち上げた。同年、東京都品川区に東京オフィスを構え、全国をエリアとする企業研修をスタートさせたという。同社の本多正樹取締役によると、同社ではこれまで、事故防止に関するさまざまな取り組みを行ってきたという。そして東京進出から5年を経て、「交通事故削減プログラム」という、同社独自の仕組みを開発した。

 同プログラムの一連の流れは、まず初期診断として、ドライバー全員が運転適性診断(YG性格検査)を受診。そこで運転行動や安全意識など内面的な課題が出た場合、カウンセリングによる面接ヒアリングが実施される。また、ドライブレコーダー診断を行い、実際の現場で運転している姿を診断し、映像をもとに、インストラクターがわかりやすく解説するなど、本人へのフィードバックが行われる。同社では、内面的な課題、そして運転面の課題の両方の課題を捉え、その改善に取り組んでいる。「あらゆる事故はセルフマネジメントを行うことで、防止できる」と指摘する本多取締役は、「セルフマネジメントの徹底で、個々のパフォーマンスを最大限に発揮させ、事故防止だけなく、ひいては会社の業績向上につながる」とし、同社の新しい事故防止研修について話している。

   青森県弘前市に本社を置くムジコ・クリエイト(新戸部八州男社長)では、青森県内に4か所のモータースクールを運営しており、免許取得のための教習を手掛けている。その一方で、教習所としてのノウハウを活用した安全教育の新規事業を立ち上げ、4年前には教習所として初めて、ISO39001を取得した。さらに、無事故への取り組みを、全社をあげて進めていくことを決断し、社名を今のムジコ・クリエイトへと変更した。翌年には東京都千代田区に東京営業所を開設。東京へ進出し、企業向けの交通安全サポートを軸に展開している。同社東京営業所の野籐智所長によると、同社では、独自に開発した「ムジコ・メソッド」を活用して、安全教育を行っている。同メソッドは、「理念・制度・教育」の3つの視点があり、理念には「トップマネジメント・社風・CSR」、制度には「組織・人事・管理」、そして教育には、「意識・技術・知識」と、9つの要素があるという。これらの視点、要素の一つでも欠けると、「無事故体質」のバランスが崩れ、交通事故リスクが増してしまうと、同所長は指摘する。

 同社では、このムジコ・メソッドを元に、基本診断(現状把握)からスタートし、詳細調査、分析提案を経て、改善策の実施を行っていくという。同社では、「なぜ交通事故はなくならないか」をテーマに徹底的に調査・研究を進めた末に行き着いた「ムジコ・メソッド」という考え方に絶対的な自信を持っており、独自開発の同メソッドを軸に、「事故のない社会づくりに貢献していきたい」と話している。

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