COLUMN COLLECTION | 連載コラム

経営コンサルタントの現場報告

物流専門のコンサルティングを手がける㈱シーエムオーの代表取締役・川﨑依邦氏が、
実際に体験した労務問題を報告。取り組み内容などを詳しく紹介します。

昭和24年、広島市で生まれる。早稲田大学卒業後、民間会社で人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。㈱日本経営から昭和63年に独立開業、平成2年法人設立。「物流経営研究会」を組織。物流業界でオンリーワンの経営コンサルタント会社を目指す。
シーエムオー 川﨑依邦 代表取締役
お問い合わせは http://www.cmo-co.com

経営再生物語(179)ゆでガエルになるな〈事例A〉

〈側近の苦悩〉

 B氏は60歳。創業者に育てられた。自らの辞書には「イエス」しかなかった。「ノー」はなかった。創業者のいうことには何でも「ハイ」でやってきた。厳しい創業者であった。今でも思い出すことがある。真冬のことである。荷主の仕事で大きなミスをしでかし、それを報告しなかったことがある。「わしはミスを怒っているのではない。報告しなかったことを怒っているんだ。頭を冷やせ」と頭から水をぶっかけられたことがある。ブルッとした感覚を今でも覚えている。それでもついていったのは創業者の人柄である。厳しい半面、優しいところもあった。

 荷主の都合でなかなか仕事が終わらず、夜を超えて朝までかかったことがある。創業者も寝ずにつきあってくれた。早朝のこと、「いやあ、こんなことしかできなくてゴメンよ。コーヒー入れたよ」と一人ひとりに早朝のコーヒーを配ってくれたのも創業者である。

 B氏はつくづく思う。「いくらすばらしい父親でも、孫となると全く似ていないものだ」。孫とはA氏のことである。B氏は側近として悩む。肝心のA氏が出社して来ないのである。「三代目でつぶす」ことがあるというのもうなづける。このままでは大変である。B氏は今まで「はい」1本でやってきた。補佐役は主人に仕えるのが使命で、自分で考え、自分で判断して決断してはならない―と固く信じてきた。ところが、この事態である。まさに緊急事態である。そこで、B氏はA氏の自宅を訪ねた。

               (つづく)

2017年11月24日 18:26

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