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タイヤだけじゃない? 「道路へ落下」の恐怖

【事故】
2017年11月24日 12:19
 岡山県内の中国道で10月18日に発生した「スペアタイヤ落下による死亡事故」を受け、大型トラックの緊急点検を求める運輸当局からの文書がト協経由で運送事業者の元に届いているが、冬場に凍結防止剤を使用することが多い地域に拠点を構える関係者らによれば「道路に落とすのはスペアタイヤだけでなく、燃料タンクやチェーン、なかにはユニック車のアウトリガーの先端部分が脱落してしまうこともある」と、金属の腐食によるトラブルは従来から珍しくないという。ある程度の異状はドライバーによる乗務前の点検で把握できるとの指摘もあるが、一方では「管理の行き届いた大手などから転職してくるドライバーには注意点もある」との声が聞かれる。

 装着が義務化されていないスペアタイヤに定期点検の義務がないのは当然だが、タイヤ本体ではない部分の不具合で落下したとなると話は別かもしれない。運輸当局からト協、さらに都道府県の自動車整備振興会へ文書が回り、定期点検で入庫する大型トラックについてスペアタイヤや工具箱などを固定する部分の確実なチェックを促している事情を踏まえ、「いずれ法定点検に組み込まれる可能性もあるのではないか」(広島県の架装会社役員)と見る向きもある。

 一方、「基本的に装着しているが、格納式のパワーゲートを備えた大型冷凍車にはスペアを取り付ける場所がない」という事業者もいる。また、100台以上のトラックを保有する事業者のなかには「パンクをしたからといってもドライバーが交換できる時代ではない。それなら...と数年前から全車を対象にスペアを取り外しており、タイヤ関連のトラブルがあれば専門業者に現地へ急行してもらう契約を交わしている」という例も複数あった。

 今回の重大事故を機に「3か月点検のチェック項目に加えた」と慌てた事業者も多い。それまでの対応を聞くと「脱落するような状態であれば、スペアを足で蹴るだけで異状がわかる。ただ、タイヤ点検は指導しても、スペアのチェックまではドライバーが気にしていない。会社側も新品のスペアを外して古いタイヤと入れ替え、それっきりというのが現状ではないか」という。

 降雪地域に事業本拠を構える広島県のトラック経営者は「廃車にするまで使わないケースも多いが、たまたま先日、パンクしたために整備担当者を現地に行かせて交換させようとしたところ、逆にスペアが外れない。使わなさすぎて固まってしまっていたらしい」と苦笑い。ただ、行政の要請文書を踏まえて点検しようとした際に、同じく「スペアを取り付けたボルトが錆びついてお手上げ」となった事業者は少なくなかったようだ。

 一方、「脱落の問題はスペアだけではなく、燃料タンクやタイヤチェーンも同じ。溶接の部分からゴソッと抜け落ちることがある。ちなみにウチの会社でも以前、帰ってきたユニック車のアウトリガーの先端部分がないことが発覚したが、どこで落ちてしまったのかわからないまま。恐らく融雪剤に含まれる塩分が一因だと考えるが、ボディーの下回りを確実に洗浄するのは大変な作業」と指摘するのは同じく広島県の事業者。中国地区には東西を貫く2本の高速道路が走るが、「降雪の多い中国道では冬場に塩がまかれる日数も多く、こまめな点検が必要だろう」と指摘する。

 いずれにしても整備管理の徹底と、実際にハンドルを握るドライバーの日常点検が重要になるが、意外なのは「時短を進める大手事業者から転職してくるドライバーも増えているが、採用後に車両点検のイロハを再確認しておく必要がある」という小規模事業者の見方。三十数台の大型トラックを抱える岡山県の運送事業者は「常にトラックが担当者に整備されているせいなのか、タイヤの空気圧やオイル残量を気にしたことがないというドライバーも珍しくない」とのことで、「うちのような零細で大手にいたときと同じことをやられては大変」と明かす。

 100台超の車両を保有する兵庫県の中堅事業者は「近場なら自前のメンテナンス車が走り、県外へ出たトラックのタイヤトラブルは専門業者と契約している」と、すでに全車のスペアタイヤを取り外した。社長によれば「うちは平ボディー車の仕事が出発点。SAなどで休憩した際はシート、ロープなど荷姿をチェックするためにトラックを一周するのが当然で、仮にタイヤなどに不具合があっても早期に発見できる。いまはウイングなど車両のタイプも増えたが、ベテランとなった当時のドライバーらが若手を自然と指導している」という。また、「駐車時の歯止めを徹底することで足回りを意識させることにつながる」(広島県の事業者)との声も多く聞かれた。

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