今回は物流業界の8割以上の企業が物流ロボット導入を3年以内に検討しているという記事があったのでそちらを紹介していきたいと思います。
(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000014943.html)
物流ロボットについては数年前から話題になっているテーマでしたが、実際に導入するまでにはいくつかのハードルをクリアしないといけなかった為、そこまで積極的な動きがなかった製品なのですが、近年の情勢、コロナ禍の影響により、いよいよ導入を本格的に考えている企業が増えてきています。
物流ロボットとは
まずは物流ロボットがどういったものかを知りたいという方に向けてご紹介致します。物流業で人手を使って行う作業の一つにピッキングがあります。倉庫に整頓されたいくつもの製品の中から出荷先専用の伝票を見ながら該当製品をピックアップしていく作業のことです。物流ロボットはこのようなピッキング作業を自動化してくれるものになります。もう少し細かく言うと、製品が入っている段ボールやパレットを積み上げるタイプと、ピッキングを行うタイプがあります。
なぜ需要があるのか
物流ロボットの需要はどういう理由かと言いますと、ECが増えてきたこともあり物量が跳ね上がってきていますが、それを捌いていいく人員が不足しているといった状態が続いています。特に倉庫業は人気のある職種とは言いにくく、重労働で残業もありキツイといったことから、企業としてもなかなか人員を簡単に集めることが出来ません。その為大手の物流倉庫などでは人材派遣などを活用し、固定人員を雇わず、物量に併せてその日の人員を何人にするかなどを調整しています。しかしながら中小企業ではそこまで高額な人材派遣を使うことが出来ないといった事情があります。
さらに人で在庫管理をすると必ず人為的なミスが多く発生してしまいます。その為、発注先の希望通りの商品が届けれないなど信用を失うことにもなってしまう。そういったこともあり、物流ロボットの需要が高まってきているという理由があります。
気にになる機能・種類
それでは物流ロボットにはどういった機能が搭載されているのでしょうか。
AGV(Automated Guided Vehicle)
こちらは、「Automatic Guided Vehicle」の頭文字をとったもので、「無人搬送ロボット」「無人搬送車」と呼ばれるものです。1990年代くらいから徐々に導入が増えていったロボットになります。
こちらは磁気テープなどを使い、そのガイドラインに沿って走行するタイプになります。指定した場所から指定した場所までモノを運ぶといった使い方になります。
AMR(Autonomous Mobile Robot)
こちらは「自立走行搬送ロボット」「協働型搬送ロボット」呼ばれるロボットです。こちらはAGVとは違い、人とセットでピッキングを行うタイプになります。出荷指示書を元に指定されたロケーションに向かい、そこで人が商品を取り出しロボットに載せて出荷場まで戻る作業をしてくれます。こちらはかなり需要が高いロボットなのですが、自走するための幅もいるため大きな倉庫向けになりますので、小さい倉庫、間隔のせまい倉庫などでは使うのは難しいです。ただ今後は改良されていくことが期待されます。
GTP(Goods to Person)
「Goods To Person」の頭文字を取ったロボットで、ロボットが商品棚までいき、そのまま出荷する作業の人までモノを届けてくれるといった機能があります。ですので人は倉庫内を歩き回ることなく、ロボットが持ってきてくれる商品を待つだけでよいということになりますので、大変便利なロボットです。Amazonをはじめ、佐川などが利用し話題になっていました。今後人材が高齢化になってきても、この方法のピッキングであれば重労働ではなく、比較的体力を使わず作業が出来るといった将来性のあるロボットになります。
PaLs(Paking and Labeling System)
梱包と送り状の貼り付けを自動的に行い、梱包作業や送り状の貼り付け業務までロボットが行います。近年様々なECモールが出てきたこともあり、出荷伝票、梱包などが複雑化してきています。また今後も出荷作業が複雑化していくことも予想されるので、現場の人間に作業負担が大きくなることが予想されます。そのため、上記のピッキングを行ってくれるロボットと併せて利用することでピッキングから出荷までがミスがなく人員も最低限で倉庫作業が行えるといったメリットがあります。
物流ロボットのコストが気になる
物流ロボットのコストについてですが、ロボット単体だけではなく、業務効率アップのできる在庫管理システムの導入や安全柵など倉庫の整備、などを含めると1,000万程度になる見込みです。価格だけで見ると高いと思われるかもしれませんが、人材を利用していても3人ほどフル勤務で雇い入れをしていると同じくらいの費用になってしまいます。その為、決して高すぎるというわけではありません。
倉庫で働く人の仕事がなくなる
また別の観点で言うと、倉庫で働いている人からは、ロボットのせいで仕事が失われると考える人も多いようです。実際、ロボットの方がミスも少なく作業も減り、スピードアップも出来ると考えると企業からするとメリットの方が多いです。その為、今後は倉庫業の簡単なピッキング作業の仕事は確実に減っていくと考えられます。